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「平成仮面ライダーシリーズ」の第4作。





従来の作品では描かれることの少なかった怪人側にも本格的にスポットが当てられ、怪人(オルフェノク)へと変わってしまった人間たちの苦悩が描かれている。また、変身装置が携帯可能なベルトであることから、ベルトをめぐる争奪戦も特徴である。劇中で「仮面ライダー」という語を用いることはなかった。東映プロデューサー・白倉伸一郎は前作『仮面ライダー龍騎』との対比で「龍騎がカラフルなら、555はモノトーン」と喩えた。

ライダーに変身する人間が善人とは言えない者であったり、逆に怪人・オルフェノクにも正しい心を持つ者がいたり、単純な善悪二元論では割り切れない群像劇が描写された。それまで怪人の人間ドラマを描くことは「ヒーローが殺人者に見えてしまう」というデメリットから敬遠されていたという。また、劇中では「人間と怪人の共存」が作中のテーマとして取り上げられ、ライダーに変身する主人公・乾巧も中盤以降、改心する見込みのある怪人・オルフェノクに対しては、止めを刺さないというスタンスを採っている。

様々な思惑が入り組むストーリーはシリーズ中、特に複雑な物となっている。

従来のライダーは、変身のために必要なベルトや機構が何らかの理由によって体内に存在している場合がほとんどであったが、本作では外付けの変身アイテムを用いてライダーに変身するという設定となっており、この為劇中に登場する各ライダーにも複数人の変身者が存在する。ただし、アイテムがあれば誰でも安易に変身できるわけではなく、必要な要素がないと仮面ライダーになることはできない。本作ではライダーに変身するアイテムの争奪戦が主軸の一つとなっており、脚本の井上敏樹は本作を「主人公はベルト」「3本のベルト物語」と評している。

主なスタッフが共通していることから『仮面ライダーアギト』の設定やストーリーの類似点を指摘されることも多いが、その初期案の1つに「主人公とヒロインが九州から出発して2人で東京を目指すロードムービー」というものがあり、当時は「ロケ代がかかり過ぎる」という理由でボツとなった。本作ではそのボツ案を再捻出している部分もあることが『仮面ライダーアギト』との類似点の多さの理由とみられる。

携帯電話など電子機器をモチーフにした「ファイズドライバー」を始めとする変身ベルトの玩具は100万本以上を売り上げる大ヒット商品となった。


キャラクター [編集]

本作のライダーのコンセプトはメカニカルなライダーであり、登場するライダーたちはギリシャ文字をモチーフにされたとの説が一般的である。ファイズのデザインそのものは、「子供が描きやすいように」との理由から、○と|の組み合わせだけのもので、このことから、子供の描きやすい図形(○・×・△)をもとにモチーフのギリシャ文字を後付け的に割り当てたとの説がある。しかしタイトルで第一話からファイズをΦ'sという形で下に表現しているのでこの説もさだかではない。

製作 [編集]

脚本は井上敏樹が全エピソードを担当している。1~2クールの作品で、全話を一人の脚本家が担当するケースはよく見られるが、30分番組とはいえ4クールの作品では異例である。なお、井上の父である伊上勝も「仮面の忍者 赤影」を全話(52話)担当しており、奇しくも親子二代で同じ記録を残したことになる。

主要キャストが10代後半-20代前半の若いキャストで固められているのは、当時18歳の半田健人の起用によるところが大きいという[要出典]。

この他、キャラクターデザインには前作より引き続きの参加となる篠原保が、音楽面ではゲームやアニメ作品を中心に劇伴を手がける松尾早人が起用された。松尾は東映作品としては現時点で唯一の登板となる。また仮面ライダーファンを公言しているISSA(DA PUMP)が主題歌の歌唱を担当した。

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